武田 尚子

2024 17 Sep

新しい切り口でカテゴリーを提案

グンゼ株式会社アパレルカンパニーが2025春夏シーズンの展示会を開催した。
テーマは、“毎日のここちいい生活に、ステキなエッセンスを。”。
従来のカテゴリー別、ライフシーン別の商品提案ではなく、その先にある「感情」を豊かにすることに価値をおきたいと、《喜ぶ》《満たす》《癒す》《楽しむ》という4つの情緒的なカテゴリーを提案し、展示会場もこの4つの区分けで構成されていた。GMSを中心とするBtoBの展示会ではあるが、会場中央にコーヒーサービスのカウンターを設けて、イベント色を演出していたのも新しい(会場写真は同社提供)。

背景には、昨年、同社の組織が大きく変化し、カテゴリー横断で1人のお客に向き合うようになったことがある。
「消費者のモノの買い方が大きく変化しているので、そのニーズに沿った研究開発力、生産力、企画力を高めようと取り組んでいる」と、同展のディレクションを行ったマーケティンググループマネージャーの日和崇氏は話す。
「ボディワイルド」の例に顕著なように、インナーからアウターへ、メンズだけではなくレディスもといった、カテゴリーを超えたトータル化が、今後は他のブランドでも見られるようになりそうだ。

こういった取り組みの大きなバネになっているのが、昨年スタートした「アセドロン」の予想を超えるヒット。汗対策の新しい年間定番として、1シーズンで80万枚を突破する売り上げとなっている。
情報開示に関しては積極的ではないが、時代の変化をつかんだメーカーの一つの姿勢を見るような気がした。

グンゼ(株)アパレルカンパニー 営業MD本部商品企画部マーケティンググループマネージャー 日和崇氏