武田 尚子
2019
01
Feb
新しい日仏コラボブランド
「リアル展示会」の難しさと意義を感じた今回の「パリ国際ランジェリー展」。時代の変化を反映したランジェリー業界の縮図であるだけに、肌で多くのことを感じることができた。その詳細はおいおいお伝えする。
「バルバラ」「バニティフェア」といった老舗ビッグブランドの撤退・休止のニュースのかたわら、EXPOSEDエリア中心に、ランジェリーに新規参入したフレッシュなブランドの出展も少なくなかった。
その中で、新しいかたちの日仏コラボブランド、「カナ・マツナミ」が登場していた。
“Be oneself(自分らしく)”をコンセプトに、自然や光などからインスピレーションを受けた商品ラインを構成。ソフトで軽いレースやチュール、優しい花のプリントを使ったブラ&ショーツからラウンジウエアまで、日仏双方から調達した素材を日本で縫製している。
同ブランドは、東京を拠点に活動するフリーランスの婦人服デザイナー・松並加奈さんが、パリでデザイン学校に通っていた頃に出会った、ランジェリーデザイナーでカラリストでもあるヴェロニック・モリエさんとのコラボレーションによって始めたランジェリーのコレクション。
ヴェロニックさんは、長年「シャンテル」のデザインに関わっていたのに加え、ディオールやクロエなどの日本のライセンスブランドのプロジェクトにも参加していたという経験豊かなランジェリーデザイナーだ。
文化も年代も異なる二人だが、「繊細さに対する共通のセンスがある」(松並さん)のが同ブランドをスタートさせたきっかけ。
ほんわりした優しさの中に、秘めた強さのようなものが感じられるコレクションだった。
ブースには、松並さんのデザインした婦人服やジュエリーも一緒に紹介されていた。