武田 尚子
2018
24
May
きめ細やかさを増す「chut!」
前回と同様、根津美術館近くの花店SPOONBILLで開催された「シュット!インティメイツ」の2018秋冬展示会。
“アーバンノマド”をテーマにした、ヴィンテージ感覚あふれるコレクションが、同店の環境ともぴったり合って独特の雰囲気をかもし出していた。
直営ショップチェーンの店頭にマンスリーで投入される商品グループは、ラウンジウエアも含めて、シーズン合計24シリーズ。
核となるブラジャーは、シアーシュットブラ、バストメイクブラ、プッシュアップブラ、ボリュームアップブラなど、目的別のパターンを基本にしながら、ノンワイヤーのクロスシュットブラをはじめ、ドレスイージーブラのブラレット、新登場したノンワイヤーで胸を盛るタイプのバストメイクブラと、ノンワイヤーブラの多様化がもう一歩進んだ印象だ。
ノンワイヤーといってもただラクで便利なだけではなく、おしゃれ心を満足させ、しかもアウターとの組み合わせが積極的に楽しめるものがそろっている。
今シーズンのテーマカラーは、コッパー(オレンジ系の銅色)、ブルーグリーン、ダークカラー(グレー・ブラック系)。常に店頭にはこれら3系統の色があるようなカラーMDとなっている。
他に、海外テキスタイルデザイナーとのコラボによる個性的なプリントも効果的。
Tシャツなどとのレイヤードを意識したキャミソールやスリップも、アクセントになっている。
「今回は全体的に、レースも立体的で目をひくものを多く使って、ビジュアル効果を狙った」と話すチーフデザイナーの斎藤ゆかりさん。その背景には、今後はEコマースの拡大も狙う同社の戦略もある。彼女自身の持つ世界感とち密な計算が隅々までいきわたっているように感じた展示会だった。