武田 尚子
潜在需要はまだまだ発掘できる
インナーアパレルの島崎(本社:秩父市)が開発した新商品「ソコブラ」が話題になっている。これは骨盤底筋の衰えからくる骨盤臓器脱をサポートするガードルで、雑誌『ハルメク』にこれまで2回掲載したところ、いずれも予想外の大幅な売れ行きを見せているという。
もともとは、骨盤底筋トレーニングの専門家として活動している北條裕紀恵さんとの出会いからスタートした企画で、勉強会を重ねながら共同開発を進めていった。北條さんは看護師として働いていた頃から、臓器脱による異物感や尿漏れに悩む中高年女性に多く接してきた経験が今の活動につながっている。
見た目にも特徴的なのは、後ろ側の長いベルトを、ブラジャーに使われているような3段階調整のホックで上に留めるようになっている構造。これは骨盤の底(ソコ)を引き上げ、股を安定させながら自分に合ったフィット感を得られるように、長細く緩みのないサポートバー(ベルト)を股からお尻の上の背面にアクティブホックで固定させるというものだ。股のクラッチ部分はフリーポケットになっていて、ナプキンを入れることができる。
サイズはS~3Lまで5サイズ展開。価格は税込11,980円。楽天市場「ランジェリーガーデン」で販売(ソコブラ98089)
日ごろから「骨盤底筋」という言葉はよく聞くし、私自身も意識はしているが、その衰えが進むと「臓器脱」になるという症状や、その言葉さえ知らなかった。これだけ反響があるということはまさに待望されていた商品といえるだろう。こうした目に見えない(声を上げにくい)潜在需要はまだまだ他にもあるかもしれない。そういう悩みに応えるのもインナーウエアの役割であると再認識した。
神楽坂にある同社の東京営業所では、このほか、ジュニアをターゲットにしたブラジャーなど「フリープ」の新製品をはじめ、同社が得意とするベーシックなトリコットのランジェリー(ベンベルグ・ラピア)も紹介された。
手前中央にあるのが「フリープ」のジュニア向けブラ
スリップ、ペチコート、裾ゴム入りキュロットなど、丈も選べる便利なランジェリー