武田 尚子

2023 11 May

「エイジングポジティブ」でいこう

「ボディポジティブ」の考え方がだいぶ定着してきたが、加えてこの概念を「エイジングポジティブ」に広げたいと思っている。
この世の中、とにかく若く見えることが善しとされ、その欲求に対応するビジネスであふれているが、若いことはそんなにいいことだろうか。
確かにいいことも多いが、私自身は若い時にもどりたいと思ったことはない。
もちろん人生100年時代に耐えうるだけの心身のケアは必要だが、それもお金がかかりすぎる。突飛な例だが、シニア貧困層に歯がない人が多いのは象徴的だ。

近年、「フェムテック」の掛け声とともに、生理や更年期の悩みがクローズアップされるようになってきたが、それを過ぎてきた者に言わせると、それらは人生のエイジングの途上(過程)に過ぎない。更年期が終わるとラクになる?というより、更年期が終わると本格的な老化がやってくるのだ。
人生は苦難続き、こうなったらエイジングを楽しむしかないのではないか。

ちょうどそんなことを考えていると、昨日、インナーウエア展示会でいくつか印象的なことがあった。
一つは、スマイルコットン素材を特徴とする「フリープ」(島崎)。年齢に関係なく敏感肌の人に支持されているブランドだが、ベーシックなシンプルシリーズのサイズがさらに充実。2Lはもとより3Lも登場していた。これは年齢の高いふくよかな体型の人を少なからず意識したものではないかと思われる。

さらにもう一つは、ワコールの専門店向け内見会において。長年にわたって愛されてきたシニア層向けブランド「グラッピー」が、これまでのハコブランドとしての役割を終え、アイテムごとに解体していたこと。ニットインナー(肌着)上下をはじめ、カラフルな毛パンやはきやすいショーツなどのヒットアイテムが、今後はアイテムごとの売場で展開されるという。
品番としては残っていくが、ブランドとしての訴求はしなくなるようだ。

 

2036年には3人に1人が65歳以上の高齢者になるといわれている。
シニアをことさら強調しなくても、シニアが大きな割合を占める時代がやってくる前兆ということか。シニアもおとなしくしていないで、もっと声をあげてもいいのではないか。
一応、アクティブシニアとしては、新しいシニア市場のために何かできないかと思ったりしている。