武田 尚子
グンゼはSDGsへの取り組みを強化
コロナが少し落ち着いているせいか、国内メーカーの展示会も少しずつ復活している。
展示会といっても、以前のような一度に大勢の人を集める大規模なものではなく、日時予約制の内見会スタイル。
先日は、久しぶりにグンゼの内見会に伺った。このコロナ禍の間に、東京支社が長年親しんだ日本橋のビルから汐留、しかも「コンラッド東京」の入った東京汐留ビルディングと、環境が大きく変化している。
新オフィスのフロアには広々としたショールームが設けられ、2022春夏物と秋冬物がチェーンストアの売場と同様の展示で紹介されていた。
環境の変化とともに、時代の変化を感じたのは、使われている言葉(キーワード)だ。
SDGsへの取り組みを強化し、サステナブル、エシカル、フェムテックといったテーマがクローズアップされ、オーガニックコットン使用のノンワイヤーブラジャー、また女性の心身にやさしく寄り添う新ラインもいくつか登場している。
カットオフや完全無縫製といった同社ならではの技術、またはメディカル分野へのアプローチといったこれまでの取り組みがベースにはなっているが、それらが今日的な社会の課題とや市場ニーズへの対応にしっかりつながっている。
「キレイラボ」は、女性の体に寄り添うフェムテック市場を意識している。
オーガニックコットン混で立体美にこだわった新ノンワイヤーブラ「Fitte COMFY BRA」。
トゥシェのフェムテック対応としては、女性のリズムに寄り添う新ライン「チェリッシュムーン」。吸水サニタリーショーツからアイテムも拡大している。
ウエルネス&ヘルス分野の強化に伴い、新ブランドが続々と。
「SAi(サイ)」は心身の健康と環境にやさしいサステナブル対応インナー。ハンガーも紙製。
2021年にスタートした「セルフェア」は、更年期女性を対象に、体をいたわるというセルフケア発想。
言葉の情報だけではなく、実際に商品を目や手にしながら説明を受けなくては、やはり伝わってこないものがあると感じた。