武田 尚子
2023
04
Feb
「サスティナブル」意識がさらに浸透
新規出展ブランドが増えた一方で、長年にわたって出展を続けているのが、素材展(アンテルフィリエール)の栄レースだ。リバーレース世界一の生産量を誇る日本のレースメーカー(本社:兵庫県宝塚市、現在は国内では生産を行っていない)だが、海外拠点のある香港法人として出展している。
手工芸の伝統を受け継いでいるリバーレースを主力としているだけに、働き手の確保は常に大きな課題となってきた。
中国・青島への工場進出から既に31年(2010年に同郊外へ移転)。その10年後にタイに進出し、今では青島よりタイの方が生産シェアが大きいという。
現在の生産環境における不安材料はいろいろあるが、レース業界、素材業界の将来について、同社代表取締役社長の澤村徹弥氏はこう話す。
「日本国内のニーズはまだ少ないが、リサイクルレース、さらにエコロジーな植物由来のバイオ素材が、今後は世界の主流になると見ている」
今回の「パリ国際ランジェリー展」「アンテルフィリエール」では、声高に表明することは少なくなったが、業界全体に《サスティナブル》への意識がすっかり定着したことを痛感。環境問題にどう取り組んでいるかが、ビジネス面でも重要な選択肢となっている。
世界が新型コロナウイルスの試練を経て、これまでとは違う新しい時代へと突き進んでいることを感じる。