武田 尚子

2022 27 Jul

“RETROFUTUR”に込めた強い姿勢

もう1か月以上経ってしまったが、「パリ国際ランジェリー展」開催のタイミングに合わせて、フランスのランジェリー協会(Promincor)主催によるパフォーマンスショー“RETROFUTUR”が催され、フランスならではのランジェリー文化に対する姿勢として強い印象を残した。

場所は、見本市会場を飛び出した、シャンゼリゼにある劇場。まだまだ外は明るい中で、ようやく21時過ぎに舞台がスタートした。


まず、舞台の幕が上がると、昨年公開されたショートフィルム「Rendez-Vous」が映し出され、そのダンスシーンから飛び出してきたように、数人のモデルが舞台上で動き出す。
リュミエールの伝統の国らしい最新技術の光、そして音とダンスを駆使した多彩な場面構成で、最後まで飽きさせない見事なパフォーマンスとなった。

“RETROFUTUR”という題名にもあらわれているように、ランジェリーの伝統のうえに立ちながら、まさに過去と未来をつなぐようなポジティブな姿勢で、フランスのランジェリーの魅力やパッション伝えていた。
その背景にあるのは、生きる自信や自由さを得た女性の存在に違いないだろう。
協会に所属する14ブランドのランジェリーコレクションを披露しながら、従来のランウェイとは異なる表現が実に現代的だったといえる。
その技術とクオリティの高さはもちろんのこと、文化というものにこれだけの時間とコストをかける国に感服せざるを得ない。

久々に人々が集う喜びや高揚感に満ち、ショー前後の歓談のカクテルも含めて、実にフランスらしい豊かなひとときであった。


雰囲気のあるMarigny劇場の舞台では、1時間近くのパフォーマンスが繰り広げられた