武田 尚子

2021 24 May

今シーズンの新ブラジャー

シーズンごとに新製品が発売されていた時代と違って、近年は、色やレースを変えたり、マイナーチェンジをしたりするものの、まったく新しい製品というのはそう多くなくなってきた。
市場全体が評価の定着しているスタンダードを大切にしながら、いいものを長く売るという姿勢に大きく変化してきたといえる。
特にコロナ禍によってその傾向が強まったといっていいだろう。展示会でお披露目される発表の機会も激減したので、各社がどんな新製品を出しているのか、私自身、あまり印象に残らなくなったのも実情だ。

そんな中で地味ながらも、この2021春夏シーズンのブラジャー新製品として打ち出されているのが、トリンプ・インターナショナル・ジャパンの「妖精のブラ」だ。
トリンプブランドにとっては、長年のロングセラーである「天使のブラ」「恋するブラ」に次ぐ日本企画の第三弾というわけだ。


「妖精のブラ」は、「窮屈なものを着けたくない」が「キレイなシルエットもあきらめたくない」という、女性たちの相反する欲求に応えたもの。快適志向と補整志向の両方を満足させるブラの最新作となっている。

主な特長としては、カップ裏側のふわふわ素材がバスト上辺の浮きを軽減してボディにフィット。サイドの二重パワーネットで脇流れを防ぎながら、カップ内側のサイドシートによってきれいなシルエットを整えてくれる。
当初は昨年発売の計画だったが、1年の発売延期を余儀なくされ、デザインの見直しを行ったという。水彩絵の具のようなフェミニンな雰囲気で幅広い層を狙っている。

見た目の新しさはそうないが、ラクなものに慣れすぎて、そろそろシルエットも気になり始めたというタイミングにぴったりの安心な選択肢といえよう。