武田 尚子

2024 26 Mar

日本ブランドの“ウエアラブル”

ランジェリーのような、いやそれ以上に露出の多い服で、美しいセレブたちが登場する場面が頻繁に見られる。惜しげもなく肌を見せるスキンコンシャスでネイキッドな装いが目を引くが、このトレンドを反映して、ランジェリーも透けるシア―な素材などで肌を感じさせるスタイルが増えている。

1月の「2004パリ国際ランジェリー展」の取材中、会場の方々のブースで、”ウエアラブル“というキーワードがよく聞かれた。以前から(インナーウエアとアウターウエアを行き来するような)外着にもなるスタイルは少なくなかったが、そのままボトムを組み合わせれば外で着られるボディやトップス、さらには幅広い場面で着回しのきくようなパジャマが時流を感じさせた。

この傾向は日本発のブランドでも見られる。
洗練された上質な大人のランジェリーとして特異な立ち位置にある「ランジェリーク」(カドリールインターナショナル)は、実際に組み合わせのしやすいアイテムが充実している。ブラジルの建築家、オスカー・ニーマイヤーの“UTOPIA”をテーマにした2024秋冬コレクションは、自然風土と調和した4つのグループで構成されているが、その中から紹介してみたい。

オリジナルのリバーレースをふんだんに使ったブラジャーやキャミソール。同社企画営業部の松村里沙さんが着ているブラウスは、不揃いなプリーツを施したラウンジウエアのトップス〈COLINAグループ〉

白い花を描いたオリジナルストレッチジャガード(イタリア製)のブラジャーに、ウォッシャブルフライスウール(ウール100%)タンクトップの杢系の色合いがマッチする〈FLOR BLANCOグループ〉

まばゆい光を浴びたような色彩と、熱帯の明るいムードのリバティプリントのラウンジウエアは自由な組み合わせが楽しめる〈CAPRICHOSAグループ〉

ブラ機能のあるキャミソール(カップインキャミソール)は日本のランジェリーブランドの強み。綿100%極細糸の艶のある天竺に、開放的な佇まいの街にある植物をイメージした柄のオリジナルストレッチレース〈CITADEグループ〉


このようなアイテムを軸にしながら、ランジェリーをもっと普段のワードローブに取り入れてみたい。