武田 尚子

2020 03 Dec

気持ちいいホームウエア

インナーアパレルでも少しずつ2021春夏物の展示会が開かれている。
先週、伺った3社の中でも、気になったのがホームウエアだ。
ウィズコロナ生活において、ナイトウエア・ラウンジウエアは見直されている分野だが、その中でも新しい動きが見られた。

昨年の40周年を機に、原点に立ち返りながらリブランディングを行っている「キッドブルー」(カドリールインターナショナル)。2021年の年間テーマ“Holiday in the Park”の中でも、春夏シーズンは、花のピンクやイエロー、空のブルーやサックス、さらにグレー、グリーンと、自然界からインスピレーションを受けた色に満ちたコレクションを紹介した。ブランドカラーであるサックスの色味を、大人っぽいダスティ系に変更しているのが、リブランディングの一環。

カラーだけでなく、家やその周辺で過ごす時間に目が向けられているのにともない、いくつかの変化が見られた。
ダブルガーゼやワッフル、シルクニット、サッカーといった気持ちのいい素材。トップスとボトムを柄と無地にするなど、着回しのきく組みあわせが充実していること。また、いろいろな植物や花から抽出したボタニカル染めにも力が入れられている。

大人っぽいニュアンスのあるレース柄プリントをほどこしたシルクニットのナイトウエア

ストライプと無地天竺(共にコットン100%)の上下組み合わせで着回しの提案

ボタニカルリネン(右はアイリス、左はカモミール)のワンマイルウエアは、夏の普段着にぴったり

 

肌にやさしいスマイルコットンのインナーが好評の「フリープ」(島崎)では、ユニセックスのパジャマが登場。クラウドファンディングサイト、Makuakeで手ごたえを得て、販売を本格化させるもので、「低刺激設計パジャマ」として打ち出している。
素材のやさしさだけではなく、縫い目やタグを外側にして直接肌に当たらないような工夫がされていて、敏感肌の男性からのニーズも予想以上に多いという。ちなみに同ブランドでは、メンズのTシャツやボトムも少しずつ充実させている。
サイズはSMLの3サイズで、男女に対応する(16500円)。

スマイルコットンのベア天竺を使用したコンフォートシリーズには、新色マローブルーが追加。ホームウエアに最適なブラやブラキャミ、ボトム、袖付きシャツもそろっている。

ネット販売の比率がさらに高まっている「フリープ」では、各シリーズとも定番を中心にしながら、新色追加などのきめ細かな見直しを行っている。

このように、2021春夏は、自社の強みや原点を改めて見直し、適度に新しさを投入するシーズンになっているといえよう。