武田 尚子
国産綿で「着衣初めセット」
駆け足で過ぎていった2024年だが、今年最後の投稿は、年末年始にふさわしい話題を紹介したい。
日頃、メールやSNSなどでいろいろな製品情報をいただくが、その中でも非常にまめに多方面からの情報発信を行っていたブランドの一つが「プリスティン」であろう。
「プリスティン」の親会社であるオーガニックコットンのアバンティは、日本の繊維自給率ゼロを1%にすることを目標に、自ら種を蒔き、綿花を栽培、纏う服までをつくる「国産綿復活プロジェクト」を2011年からスタート。2030年までには同プロジェクトで生まれた綿を自社ブランド「プリスティン」の製品に5%(収穫量は15トン)を入れこむことを目標に、日本国内での綿花栽培に取り組んでいる。農家、福祉施設、学校や企業など、多岐にわたるかたちで、年々、栽培拠点のネットワーク(アバンティコットン倶楽部)が全国に広がっており、当初は全国8か所で始まった生産拠点も、2024年には37か所まで拡大した。
サスティナブルなライフスタイルブランド「プリスティン」では、新年を迎える「着衣初めセット」発売を開始したばかりだが、それはその国産綿を使用した製品となっている。2023年に収穫した国産綿(前年の345㎏から540㎏に増加)に、インドから輸入した原綿80%を合わせ、国産綿混用率20%(前年対比5%を増)というもの。
「着衣初めー眠衣―」は心地よい眠りへと誘ってくれるパジャマだが、日々のあらゆるシーンで身に着けたいと思わせてくれる快適なライフスタイルウエアだ。ダブルガーゼセット(写真上)と透かし柄ニットセット(写真下)の2種類で、価格はいずれも税込39,600円。高価であるに違いないが、同社のビジョンや生産背景とともに、同社が育てた国産綿20%という希少な製品であることを知る者としては愛おしさが感じられる。
新しい一年を気持ちよく迎えようとしている消費者にとっては、意義ある出費と言えるのではないだろうか。