武田 尚子

2024 06 Mar

老舗メーカーのコンテンポラリー

フランスのランジェリーブランドの中核を担うシャンテル社は、1876年の設立以来、今も創業者一族による安定経営を行っている稀有なメーカーだ。
近年も、主力ブランド「CHANTELLE(シャンテル)」を中心とする複数ブランド体制で、時代に敏感に対応した動きを見せている。2年前、「シャンタル・トマス」の離脱に代わるプレステージブランドとして登場した「CHANTELLE X(シャンテルX)」に続き、今回の「2024パリ国際ランジェリー展」では新ブランド「CHANTELLE PULP(シャンテル・パルプ)」が発表された。既に1シーズン前(2024春夏)にスイムウエアからスタートしたブランドで、そのはじけるように明るい色合いからして、見るからにエネルギーに満ちたコンテンポラリーなランジェリー群だ。

A・BカップからG・Hカップまで幅広いサイズ構成が特徴で、特にアンダーサイズが細くてカップサイズが大きなバストに合うものが充実。透け感のある素材で華奢に見せながら、脇や背中は安定感のある設計で、全体的にホールド感のあるシェイプとなっている。同社の「ソフトストレッチ」グループの成功の影響で、軽さを重視しているのも特徴だ。

 

明るいクラインブルーやティリアンピンクが目をひくが、定番のベーシックカラーもしっかり揃えている。

 

「CHANTELLE X(シャンテルX)」の方は、繊細かつ斬新なレース使いやディテールのテクニックを駆使しながら、モードの魅力に満ちたモダンセクシー路線を突き進んでいる。