武田 尚子

2024 07 Oct

ヴェネツィアの光と影を託して

松屋銀座店や西武渋谷店などのランジェリー売場で、インポートブランドのような輝きを放っている日本ブランドの「Maimia(マイミア)」。ディレクターであり同社代表取締役の神成舞さんが、プライベートで旅した水の都、ヴェネツィアを舞台に、 "CASANOVA" と題したドラマチックな2024秋冬コレクションを発表した。

ブランドのアイコン的な存在として人気の高いのが、ブラ機能内蔵のカップインドレス。シルエットの美しさや着やすさはもちろんのこと、イージーケアなために日常的におしげなく着用することができて、旅行に持っていくにも便利。新製品の日本製ポリエステルサテンはシックな色合いで、光の当て方によって陰翳の変化が生まれる素材が使われている。

さらに、一昨年から展開を始めて好調な売れ行きを見せているニットウエアが充実。フェザーヤーンを使った甘さのあるショートジャケットに加え、メンズスタイルのゆったりしたボーイジャケットを発表した。アクセサリーのような大き目の金ボタンや、ふわふわしたフェザーヤーンのポケットがポイントになっている。いずれも素肌に触れる時の肌触りを大切にしているという。カップインドレスの上に羽織ったり、寝室のベッドジャケットとして着用したり、また普通にアウターウエアとしてカジュアルな街での着こなしにも使えて重宝しそう。

フランス製リバーレースを贅沢に使用しながらも日本の縫製技術にこだわるランジェリーは、バルコネットブラやプランジブラに加え、パッドなし一枚物のストラップレスワイヤーブラジャーに挑戦。
「ノンワイヤー全盛の時代に、今一度、かつてのヨーロッパらしいきゃしゃなワイヤーブラジャーの魅力を伝えたかった」と、神成さん。見えても気にならない背中のベルトは、調節することによって幅広い体型にフィットする。レースのカップ裏にはパッドを使いたい人のために、パッドを差し込むためのチュール素材の細いループ付きという細やかさだ。

ヴェネツィアの光と影の魅力にあふれていた展示会場。しばし、古き良きヨーロッパの香りに浸ることができた。写真右が神成さん