武田 尚子

2024 18 Jun

選択肢広がるカップ付アイテム

海外ではあまり見当たらない日本らしいインナーウエアの代表といえば、ブラカップ付きのキャミソールであろう。ブラカップ(パッド)がバスト部分に内蔵されたキャミソールやタンクトップだ。
かなり以前から存在していたタイプだが、いうまでもなくユニクロの「ブラトップ」(発売は2008年)によってすっかりポピュラーになり、完全にベーシックなアイテムに定着している。コロナ禍によるライフスタイルの変化もあって、ブラジャーの代わりに楽で便利なこれを愛用しているという人も増えた。インナーとアウターの境を超えるという意味でも、女性たちにとってはなくてはならない存在になっている。

今年もますますバリエーションが増えている。
ワコールが展開するファッションブランド「OUR WACOAL(アワワコール)」は、ジュンが展開するファッションブランド「ADAM ET ROPÉ(アダム エ ロペ)」とコラボレーションしたカップインウェアを7月25日(木)から発売すると発表した(販路は両社のECサイトが中心)。写真はカップインチューブトップキャミソール。

ハイウエストのボトムスとも相性が良いショート丈のほか、シアートップスやシャツなどあらゆるトップスにも合わせやすいクロップド丈の2型。さまざまな洋服に合わせやすいようネックラインは直線的に仕上げている。

「OUR WACOAL」の主力アイテムであるカップインウェアで使用されている左右一体型の成型カップを採用


これ以外でも、2024秋冬シーズンの各社展示会では、このカップ付のキャミソールやインナーウエアが充実しているのが目についた。


「プリスティン」(アバンティ)では、以前展開していたオーガニックコットン(40/20ベア天・チューブフライス)のカップ付9分袖シャツが、復活を望む声に応えてリバイバル。袖はオーガニックコットン100%、身頃には5%のポリウレタンが混紡されていて、適度なフィット感があり、肌寒い季節でもこれですっきりした着こなしができる。

肌触りの柔らかいスマイルコットンの「フリープ」(島崎)は、新しく登場した綿100%(天竺)のヘルシーシリーズでも、他シリーズと同様、ブラキャミのラインナップは欠かせない。ストレスのない着け心地でありながら、サイドパネルとカップの一体構造(特許取得)でバストをきれいに整えるように工夫されている。

「ランジェリーク」(カドリールインターナショナル)では、ブラジルの建築家、オスカー・ニーマイヤーをテーマにした秋冬コレクションの〈CITADEグループ〉の中に、大人の女性をイメージした洗練されたカップインキャミソールを組み入れた。綿100%極細糸の艶のある天竺に、開放的な佇まいの街にある植物をイメージした柄のオリジナルストレッチレースが効果的だ。

カジュアルな着こなしにも、エレガントな着こなしにも合うカップ付キャミソールは、このように選択肢が広がっている。ブラ機能もしっかりしたややハードめから、ソフトでナチュラルなものまで。