武田 尚子

2024 26 Jun

30周年を迎えた「天使」

「天使のブラ」(トリンプ・インターナショナル・ジャパン)が1994年の誕生から30年を迎えたという。あれから30年!と感慨深い。当時、随分と分かりやすいネーミングだなと思った記憶がある。
この30年、ブラジャーというアイテムも大きく変化してきた。

デビュー当初は、1992年発売のワコール「グッドアップブラ」と並び、谷間を強調してバストをボリュームアップするブラジャーの代表であった。
その後も、「天使のブラ」というブランド名は変えずに、シーズンごとに新しい機能を加えながらバージョンアップしていくわけだが、時代の変化とともに、エイジングの悩みにも応えたナチュラルなバストメイクの方向へと徐々に舵を切っていく。従来はどちらかというと若い世代に向けたブランドだったが、徐々に30代や40代の層を意識するように変化している。

その変化は、ブランドイメージを担うモデルの変化にもあらわれている。
外資系メーカーらしく、長い間、白人モデルが起用されていたが、いつしか日本人モデルも登場するようになった。
今回は30周年の特別なブランドアンバサダーとして、女優の菊地凛子を迎え、テレビCMも流れている。
トリンプは近年、仕事や生活に忙しい日々を送る女性の生き方を応援するという企業姿勢を一貫して伝えており、この「天使のブラ」はまさにその核にある存在となっているのだ。

ファッションのブランド、少なくともブラジャーを中心とするインナーウエアのブランドで30年続くというのは稀有なことである。
これから「天使のブラ」がどう変化していくのか、その未来にも注目したい。