武田 尚子

2024 11 Feb

インナーとアウターのトータル化で刷新

春の兆しを日に日に感じる今日この頃、国内インナーアパレルメーカーの中でも、2024年春夏シーズンの展示会を既に昨年9月中旬にいち早く開催したのがグンゼだった。同社にとってはコロナ禍をはさんで久々の展示会開催であり、社員の方々の意気込みも感じられた。ただ、写真撮影や投稿は一切NGだったので、ようやくリアルシーズンに入っての紹介となる。

広報担当者の話によると、近年、同社は組織の大改革を行っている。アパレル部門は、従来別々の部署で動いていたインナーウエア、レッグウエア、アウターウエアが一括され、ライフシーンごとに横ぐしの商品企画となって、今後は総合力の強さを活かしていくという。リサイクルハンガーなどは事業部をまたがるかたちで、プラスチック部門とも協力していく方針だ。
2024春夏シーズンの同社アパレルカンパニーが提供する価値は、「ライフシーンをデザインする」――。研究開発力、生産力、企画力の総合力を高めていくという。全体的にインナーとアウターの境界があいまいになり、Tシャツのような中間アイテムが目につくようになっている。

その代表として、1998年からメンズアンダーウェアブランドとして展開してきた「BODYWILD(ボディワイルド)」を、デビュー以来26年ぶりに刷新し、2024年2月から店頭展開される。「ライフスタイルもファッションもシームレス化し、共感できるものが選ばれる時代背景に合わせて、ブランドのDNAである『心地よさの追求』を全身で感じていたるようなラインナップで新たなステージへ挑戦した」としている。

自然でありのままでいられること、自分らしくポジティブでいられることを目指し、様々なライフシーンで快適を届けたいと、シームレスな暮らしに寄り添うトータルアパレルブランドに変化させたというわけだ。
「身体(BODY)を自然(WILD)に回帰する」というコンセプトに合わせて刷新されたブランドロゴは、これまでの「男らしさ、力強さ」を表現したグラフィックから、「自然、ありのまま、自分らしさ」といった今の時代の「ワイルド」を表現するデザインへ進化させたという。

「3D-Boxer」「AIRZ」など、同社のテクノロジーを投入し続けてきたボクサーパンツを主力商品としてさらに進化させるだけではなく、カジュアルシーンから多様化するビジネスシーンにも対応したジャケット&パンツなどの「OUTER WEAR」もラインナップするようになったのが大きな変化だ。さらに、履き心地の快適さやストレスからの解放にこだわったギミック満載の「LEG WEAR」、室内での快適なリラックスタイムを支える「ROOM WEAR」のアイテムも拡充していくとしている。 

全国量販店の大型コーナーを中心に、よりシームレスな売場展開でアンダーウェア、アウターウエア、レッグウエア、ルームウエアのアイテムで「快適なライフスタイル」をコ-ディネートしているとのこと。人々のライフスタイルが確実に変化しているこの時、メンズ市場も新しい波が押し寄せている。