武田 尚子

2020 07 Aug

ヒートアップするナイトブラ

この夏は、空前のナイトブラブームとなっているようだ。


同市場のパイオニアであるワコールは、2005年位から快眠のためのブラを提案していたが、ウェブストア限定で夜寝るとき専用のブラジャー「ナイトアップブラ」を発売したのは2015年。じわじわ安定した売れ行きを見せていたが、昨年2019年に行ったキャンペーンがブームの火付け役となって、今や多くのメーカーがナイトブラを展開している。

ワコール2019秋冬展示会での「ナイトアップブラ」

 

昨日、数社の2020秋冬物展示会をまわったが、そこでもいくつかのナイトブラを目にした。


お客から寄せられる質問の9割がナイトブラに関することと話していたのが、「シュット!インティメイツ」。
ヘッドデザイナーの斎藤ゆかりさん(インティメイツ㈱マーケティング部商品開発課)は、「コロナ禍によって家で過ごすことが多くなり、自分自身と向き合う時間が増えて、“クオリティ・オブ・ライフ”(生活の質)を見直す機運が高まっている」と話す。


同ブランドのナイトブラ「スリープクロスブラ」は、ブラジャーの土台がクロス構造(特許取得済)になっていて、どんなに動いてもずれにくく安定感があるのが特長。レーシーでフェミニンな表情のノンワイヤーブラとなっている。2020秋冬の新色は、まさにシーズンテーマ“ロマンス”にふさわしいローズ。

夜寝るときだけでなく、リラックスしたいときや、ヨガをするときにも

2020秋冬の「シュット!インティメイツ」は、肌に優しくなじむピンクベージュからローズ、ワイン系のトーンでまとめられている

 

表参道のカフェでデビューコレクションを披露したのは、マッシュスタイルラボの新ブランド「スナイデルホーム」だ。ビューティ&リラックスをテーマにした“ビューティホームドレス”は、コラーゲンサテン、シアバターフリース、ローズヒップサーモスムースという具合に、植物成分を配合したコスメ感覚のテキスタイルを特徴としている。
その中で、寝ている時間も美胸をサポートするというナイトブラをラインナップ。これはアロエの保湿成分を配合したレーヨン×アクリルのブレンド素材が使われている。

これまでの育乳、美乳といったバストをケアするニーズと、おうち時間、リラックスといった快適性へのニーズ。その双方が合流したこのブームは、当分続きそうな勢いだ。