武田 尚子
フランス発 抗UVレジャーウエア
元皮膚科医というフランス人からメールをいただいた。
7月の「ユニーク・バイ・モードシティ」展で出会った「Miel Melb(ミエル・メルバ)」というブランドの創始者・社長であるソフィーさんのお父さんだという。 その方のメールには、興味を持って記事にした日本人への感謝の気持ち、そして皮膚がんを克服して新しい事業に打ち込んでいる娘に対する切ないまでの親心が込められていた。
広い会場で初出展の同ブランドに目にとまったのは、世の中の時流とは関係なく、その色使いをはじめフランスらしい雰囲気(特にフランスのバカンスのムード)に満ちていたこと、新世代が続々登場している中でも大人世代の女性二人組がブースに立っていたこと、そして水着というより夏のリゾートや普段着として便利な汎用性のあるベーシックなアイテムをそろえていたことなどであろうか。
ブランドをスタートさせた理由を聞くと、二人組の一人のソフィーさん(写真右)が、病気を経験したことを少し話してくれた。「はちみつメルバ」という意味のブランド名には健康的でポジティブなイメージを託したのだという。
フランス人というと、伝統的にバカンスによる日焼けは一つのステイタスであって、紫外線の害がどんなにいわれようと、きれいに日焼けしている人が多い。とにかく日焼けを嫌う日本人とは対照的だ。 それが、このブランドは非常にフランスの香りに満ちていながらも、袖付きの水着やロング丈のレギンスなど、体をプロテクトするスタイルを中心に、抗UV対策に力を入れているというのは画期的なことだといえる。
早くから紫外線の害には敏感な日本。私個人は肌が白くて日焼けが苦手なくせに、帽子&サングラス程度で、実は日傘をさすなどは苦手だし、ましてや手袋などで体をおおったりする発想がない。日焼け止めクリームも化粧前に顔には塗っても、体は結構無防備。日焼け止めクリームも塗らずに、テラスで庭仕事をしてしまったりする。
健康について考えさせられた。
水着・ビーチウエア全体の傾向としても、最近は体をカバーし、プロテクトする傾向が強まっている。テニスやヨガ、その他のスポーツにも幅広く着用できる「Miel Melba」のスタイル
夏のライフスタイルに欠かせないファミリー提案。レディス、キッズ、メンズをトータルで表現できる