武田 尚子

2017 28 Dec

レースは多彩な表情を持つ

今年最後の投稿を飾って、レースの話題で行きたいと思う。

冒頭の写真は、「ハンロ」の2018春夏コレクション。レースといっても、ノンワイヤーのナチュラルなフィット感のモダンなブラは、ビスコース織物の白いシャツ(ラウンジウエア)をさらっと合わせてもぴったり。スポーティになりがちなスタイルも、大きなリーフ柄レースが程よくエレガントな雰囲気を出している。こういうふうにレースをさりげなく身に着ける女性に憧れてしまう。

 

女性はレース好きな人と、あまり好きではない人にはっきり大別できるようだが、レースの世界は想像以上に多様性に富んでいる。レースが苦手という人にもレースの意外性や奥深さを知っていただきたい。

レースがつきもののランジェリーもその時々のトレンドというものがあって、常に新しさが追求されていることは意外に知られていない。その一端をご紹介しよう。

 

まず、グローバルな視野での今のトレンドはこちらを。

http://www.bodybook.jp/entry/201712/expressvol45.html

 

次に2018春夏シーズンの国内展示会から。

先週展示会が開催された「ラ・ヴィ・ア・ドゥ」。いつもホッと肩の力が抜けたような、がんばりすぎず、それでいて女性らしいかわいらしさのあるレースが目につく。

 

カラーグラデーションの美しい“切り替えギュピールレース”グループ。大人っぽいダークネイビー、優しいオリーブゴールド、甘さのあるローズピンクと、色で違う表情が味わえる。 

 

“シャビーシックギュピール”グループは、マット糸のケミカルレースを使用し、繊細なクロッシェ編みのようなどこか懐かしさとモダンな柄の融合。アイラッシュの縁もポイント。

 

”メランジチューリップ“グループは、キュートなチューリップ柄のエンブロイダリーレース。透けるチュールに乗せたシンプルなパステル画のような花のモチーフが新鮮。オーストリアの刺しゅうメーカーのものだという。

 

11月に開催されたワコールの総合展示会では、レース好きを満足させるものが満載されていた。特に「ワコールディア」(写真上)「トレフル」(写真下)といったプレステージブランドでは、花びらを散りばめたような立体的なレースが目を引いた。

 

控えめながらマニアックなレース使いを見せるのが、「ランジェリーク」(カドリールインターナショナル)。

透ける繊細なレースのキャミソールを、マットなシルクのブラに重ねて(写真上)。

リバーレースの美しさが際立つライラック色のスリップ(写真下)。