武田 尚子

2020 21 Dec

「ハンロ」のオンラインプレゼンテーション

年明けは秋冬物のセールとともに、少しずつ2021春夏物の販売がスタートしていくという時期だが、グローバルブランドの卸売りにおいては、既に2021秋冬物のセールスキャンペーンが始まっている。
オーストリアを拠点にした「ハンロ」では、先週、世界各国のセールスパートナーに向けた社長のプレゼンテーションがZOOMで行われた。例年では年に二度どこかで一堂に集まる機会があるが、それが今年は不可能になったために、オンラインとなったという。
そのビデオを拝見させていただいた。
同社はセールスパートナーである各国のエージェントを、「ハンロファミリー」と呼ぶように、その様子は終始なごやか。
ホーマン社長(下画面の最上段左から2人目)のスピーチには、楽観的で前向きな姿勢がつらぬかれていた。

まず、同ブランドの有力市場であるアメリカをはじめ、全体を通してECが伸びたことの報告。
商品別では、ロイヤリティの高い顧客によって地位が確立している肌着類は堅調、ブラジャーは“ダイバーシティ”をテーマにしたキャンペーンが奏功してシェアが拡大したという。
さらに注目したいのは、好評のラウンジウエアにより一層力を入れていきたいという姿勢である。
同ブランドは10年程前から新しいコンセプトでラウンジウエアの刷新に取り組んできたが、人々の生活が変化している今、上質なラウンジウエアによって他店との差別化ができる商材であることをバイヤーに訴求していきたいというわけだ。
「ハンロ」ではナイトウエア(スリープウエア)とラウンジウエア(部屋着)というカテゴリー分けは一応設定してはいるが、単品でいろいろな着回しができるために、眠る時、部屋でくつろぐ時、あるいは外でといった着用場面や着方については、着る人が自由に選んでほしいというスタンスをとっている。

今回のパンデミックの影響によって、2020秋冬物は当初予定していた商品の3割カットを余儀なくされたり、デリバリーの遅延があったりしたにもかかわらず、2020年を締めると全体で前年対比18%減におしとどまったとのこと。2021年の上半期は5%減~10%減を目指しているという。


ワコールの輸入品事業部を退職し、2013年にハンロに入社した小山太津将(こやまたつまさ)さん。オーストリア在住も既に7年。グローバルセールスディレクターとして活躍している。