武田 尚子
エブリデーブラこそ贅沢を
1月パリのメトロで目にしたのが、ご存じユニクロ「ワイヤレスブラ・ビューティライト」のポスター。「唯一無二の快適さ、比類なき美しさ」とある。
日本で通常1990円のところ、フランスでは19.90ユーロ(1ユーロ100円なら内外価格差なし)。フランスのランジェリーの中でもかなり低めの価格設定だ。
今、ワイヤレスブラがブラのトレンドなのは、日本も海外も共通しているが、日本はあくまで「楽(ラク)」なのが人気の理由であるのに対し、特にフランスなどでは「ナチュラルで美しい」が重要というように、その内容にはお国柄の違いがある。
例えば、フランスブランドが提案するような一枚物の透けるブラなどは憧れるが、現実にはなかなか日本の市場では一般的ではない。
フランスにいる人もそういうタイプに抵抗ある人は少なくないはずで、そういう層にこのユニクロのイノベイティブなシームレスブラは受け入れられるに違いない。
同じワイヤレスブラでも価格帯はかなり上のゾーンになるが、「パリ国際ランジェリー展」では、これはありそうで意外にない、身に着けてみたいと思わせるブラがいくつか目についた。
ドイツのデザイナーによる「オパーク」は、ミニマリズムをベースに、“デイリーラグジュアリー”を追求したハイクオリティなブランド。アヴァンギャルドな雰囲気もあるブランドだが、機能性の良さが表れているのがブラで、ワイヤレスでありながら、適度なパッドも入っていて安心だし、いかにもフィットが良さそうと感じさせる。
リサイクルレースを使用した白もいいが、スポーツテイストを盛り込んだインクブルーもモダンでおしゃれ。
毎シーズン、トレンディなコレクションが充実しているヨーロッパ市場向け「バニティフェア」で注目されたのは、定番のベーシックシリーズ。ワイヤレスのモールドブラで、後ろにホックのないタイプ(かぶって着脱する)、肩紐のつけ位置が絶妙で肩からひもがずり落ちるストレスがないところもいい。