武田 尚子
2019
07
Jul
来年のモードシティは大きく刷新
今回に限ったわけではないが、年2回の海外取材は時代の変化というものを肌で感じることができる。特に今回は、世代交代が顕著になっているのに加え、次の時代に向けたリノベーションが加速している。
水着・ランジェリーの国際展示会、ユニーク・バイ・モードシティが開幕した。
初日の主催者によるプレスコンファレンスでは、重大な発表があった。今回の内容より多くの時間が割かれたのは、1年後の新しい挑戦について。
まず、開催会期が近年定着していた7月初旬から、6月27~29日に変わる。パリのファッションウィークの一環として、新しいネットワークによってパリの街を巻き込んだかたちになる。
これまでのように展示会場内だけの閉ざされたものではなく、パリ・シャイヨ宮でのイベントと連携させ、展示会そのものも、より透明性の高いものになるという。
開催時期に関しては、これまでも何度も議論されていたが、水着商戦にとって有効な時期という判断が決め手になったようだ。
年間通して比較的安定したランジェリーに対し、確かに水着は、いくら年間商品になっているとはいえ、やはり夏のバカンスを山場にした短期決戦型であり、出展者であるメーカーや小売店の意向は重要である。
また、パリらしさをより打ち出すという意味では、今回、同展を離れて独自にコレクションの発表を行ったいくつかの有力ブランドが、いずれもパリの魅力を軸にしたイベントを実施していることに、すでに象徴されている。
今日のようなインターネット時代において、リアル展示会へ実際に足を運んでもらうには、開催場所であるパリの魅力を、そして訴えるのはモノだけではなく、文化であるというわけなのだ。
これは大きな教訓といえる。