武田 尚子

2022 28 Apr

女性の共感広げるスタイリストブランド

スタイリストのスド=キョ=コによるサニタリーランジェリーブランド「K+1%」が、中目黒の小さなギャラリーで展示会を開いた。これまでも伊勢丹新宿店をはじめとする百貨店でのポップアップ、国内外の合同展では発表してきたが、単独で展示会を開催するのは、2018年のブランド開始以来、初めて。
ファッショナブルなサニタリーランジェリーという印象が強かった同ブランドも、あらゆる女性のライフスタイルに寄り添うかたちで、今やウエア全体にその世界観を広げている。
「制約のある展示会やポップアップとは違って、こういうスタイルは自由だし、またオンラインとは違って、着る人たちといろいろ話しながら直接アドバイスできるのがいい」と話すスドーさん。
確かに、展示会というより、スド=キョ=コの部屋に友人たちが遊びに来るという雰囲気だ。
企画から生産、撮影、情報発信まで、そのフットワークの軽さやクリエイティブなディレクションは、さすが熟練したスタイリストというしかない。

今回は新ブランドのウエアライン、「CUDDLE(カドル)」(“ぎゅっと抱きしめる、寄り添う”という意味)の発表も大きな目的だ。アメリカLAで撮影をしてきたポスターでは、多様な体型や肌の色をしたモデルを起用している。
水着にもなるワークアウトやデイリーユースのブラ&ボトムセットをはじめ、スウェットのパーカーやパンツ、ショートパンツ、ソフトコーデュロイのレギンスなど、毎日の生活に欠かせない着回しのきくアイテムがそろっている。肌ざわりや着心地の良さを大切にしながら、街でオールシーズン日常的に着られることを重視しているので、オーガニックコットンなどしっかりしたニット素材が使われている。

配色の美しさは「K+1%」の大きな魅力だが、今回のコレクションでは、日本古来の伝統色から名づけられた4色(鶸、撫子、秘、胡桃)を使用している。素材はサスティナブルなテンセル。

残り生地をパッチワークした1点物シリーズも