武田 尚子

2023 11 Nov

来年夏も内側から暑さ対策

長い長い「夏」が終わり、ようやく秋らしくなってきた。来年の夏は今年以上の暑さと予想されている中、インナーアパレル各社の2024春夏物は猛暑対策を意識したものになっている。

今年12月に創業70周年を迎える島崎の自社ブランド「フリープ」は、今回も定番シリーズの充実を図っているが、その中でもやはり主力に打ち出していたのが「サマーシリーズ」。新色のオレンジシャーベットが新鮮な印象で目をひく。素材は吸放質性に優れたキュプラとスマイルコットンを組み合わせたキュプラコットン天竺(キュプラ60%・綿40%)だ。レーシータイプの方は、ノンワイヤーブラに通気性に富んだキュプラ混の不織布カップ、ソフトサポートブラやブラキャミには同じく通気性に富んだキュプラ混の不織布パッドが使われている。

その他、ブランド15周年企画の綿100%シリーズも、「ヘルシーシリーズ」として定番化。また、この2年程、国立がん研究センターと取り組んできた乳がん術後向け「ノンワイヤー前開きソフトブラ」も、同社サイトなどでの一般販売がスタートしている。医療従事者と患者の協力のもとに開発されたもので、肌当たりのやさしさはもちろんのこと、アンダーバスト部分を長めにした安定感、ドレーンが当たらないような大きめの袖ぐり、バスト上のあて布を大きく取りながらパッドの出し入れのしやすい挿入口など、術後を快適に過ごせるような工夫がされている。素材はスマイルコットンとは異なる綿混ストレッチ素材だが、商品設計は「フリープ」の物づくりの蓄積が活かされている。

季節のサイクルが従来のようにはいかなくなっている昨今、年間通して肌着でうまく調節しながら快適に暮らすことが欠かせない。