AIL

2018 17 Aug

「リアル店舗の価値」と「自社ECのメリット」について考える機会に

 こんにちは、AIR(アパレルウェブイノベーションレポート)海外コンテンツ担当のケルビンです。
お盆休み明け、今日から出勤する方も多いと思いますが、皆様のお盆休みはいかがでしたか?
さて、今回よりリテールビジネス、マーケティング、テクノロジーといった情報を中心に、
海外の最新情報をお届けします。今回は下記二つのニュースをご紹介します。
「アメリカのSNS発雑貨ECサイト「Fancy」がNYCに初の実店舗を出店」
 
この記事のポイントはリアル店舗の価値をもう一度考えることです。
 
 今回ご紹介する「Fancy.com」はユーザーのFacebookアカウントと連携が出来るソーシャルコマースに特化したECサイトです。
ユーザーは「Fancy.com」に出店しているブランドをフォローしたり、商品を「いいね!」したり
購入することができます。ユーザーが「いいね!」をした商品が「フィード」になって、「Fancy.com」上で流れます。
「Fancy.com」もキュレーションメディアのように、オリジナルの商品特集などの独自コンテンツを作っています。
 
先日ニューヨーク市に、「Fancy.com」初のリアル店舗が出来ました。
約2,500平方フィート(約70坪)の店舗では、ECサイトのフィードと連携して
店頭の鮮度を保つために、頻繫に商品を入れ変える仕組みとなっています。
 
アメリカでは近年多くの百貨店やアパレルブランドが実店舗を縮小する中(企業によっては倒産に直面することも)
EC発の企業が逆にリアル店舗に注力し始めるケースが目立ちます。
一番分かり易い事例はAmazon bookやAmazon Goなどの新業態です。
「店舗は儲からない、ECに特化すべきだ」という見方もあるかもしれませんが、
その前に、如何に店舗とEC両方の良さを生かして、お客様に最も品質の高い顧客体験を提供することを
もう一度考えるタイミングかもしれません。特にリアル店舗の場合、ECで得た顧客データと新しいテクノロジー
を生かして、いままで提供できなかった、店舗ならではの顧客体験がヒントになるでしょう。
 
 
「ゲーム業界も脱プラットフォーム化進む」
 
この記事のポイントは、ゲーム業界もファッション業界も同じように自社プラットフォームの活用が進んでいるということです。
 
 私はハードコアなゲーマーで、普段ゲーム関連の情報も意識しています。昨年からある現象がゲーム業界で強まりつつあり
最近ビジネス誌でも取り上げられました。それはゲームメーカーが他社のゲーム配信プラットフォームを使わず
自社で配信し、直接にユーザーにゲームを配信する傾向が見受けられます。
その背景は他社のゲーム配信プラットフォームで配信する場合、手数料が発生し
ゲームメーカーの利益率が減少するためだと考えられます。
 
近年ファッションEC業界でも「脱ECモール依存」という見方が広がりつつある印象を受けます。
本質的な部分を考えますと、いまゲーム業界で起こっている現象とも共通点があります。
ファッションECモールもプラットフォームとして、出店ブランドに対し、手数料を徴収し
ブランドにとって利益率が下がります。もちろん企業の規模、資源によって
自社ECの構築や運営に伴うコストやリスクも増えます。しかしながら、中長期的な目線でみますと
自社ECで運営する場合は、直接的に顧客データを収集することが出来ます。
 
顧客のニーズを理解し、マーケティング活動や新商品の開発などの施策に活かせることで
最終的に売上改善につながることこそ自社ECを運営するメリットです。
ただし、一方的にECモールを否定するのではなく、例えばまだ知名度の低い
あるいは自社でECモール運営するほど資源がないブランドは、事業の初期段階では、
ECモールを利用し、知名度や新規顧客を獲得し、事業がある程度成長してから
段階的に自社ECの運営へ踏み込んでいくことは選択肢の一つとして考えられるかもしれません。
 
まとめとして、今回は「リアル店舗の価値」と「自社ECのメリット」について、ピックアップしました。
2点とも、お客様に最高のサービス・商品を提供することが共通の目的であり、
店舗がベストか、ECがベストか、あるいは組み合わせるか、ぜひ一度考え直す機会にして頂ければ幸いです。