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2020 16 Dec

「ボッテガ・ヴェネタ」が2021スプリングコレクション「サロン 01 ロンドン(SALON 01 LONDON)」のショーを公開


 

 「ボッテガ・ヴェネタ(BottegaVeneta)」は2020年10月9日にロンドンのサドラーズウェルズにて招待制で行った、2021スプリングコレクション「サロン 01 ロンドン(SALON 01 LONDON)」のショーの模様をオンライン上で公開した。

 ロンドン芸術大学やセントラル・セント・マーティンスで学んだクリエイティブディレクターのダニエル・リーのゆかりの地である英ロンドン、そしてダンスやアートを愛する彼のインスピレーション源を象徴するようなサドラーズウェルズシアターを会場に選び、ブランドに近しい招待客だけに向けておこなったアットホームなショー。そこに登場するのは、自宅で過ごす時間を意識したかのような、心地よくゆったりとしたシルエットやハンドメイドの温かさが感じられるコレクションだ。

 まず目を引くのは様々なルックで登場するニット。ファーストルックで登場する会場の照明と同色のアシッドグリーンのダブルのコートドレスに始まり、裾にフリンジ付きニットのミニドレスやフラワーモチーフのロングドレス、ローゲージのニット・オン・ニット、ハイゲージの透け感のあるトップなど。

 または、セットアップやパンツスーツなどのきっちりしたシルエットには、家具用のファブリックのような厚手の生地やブークレなどノスタルジックで温かみのある素材を使用。フレアスカートになったワンピースやワイドパンツのオーバーオールなど、体を締め付けないアイテムも多い。同様にメンズに登場するパンツもかなりワイドで、ゆったりしたニットや開襟シャツとコーディネートされる。

 カラーパレットは全体的にワントーンで、メインはピンクやヌード、グレーなどの優しいペールカラーの中にレッドやグリーンなどの鮮やかな原色使いも差し込まれる。そんな中、バッグまでが洋服と同色、または同じ柄で統一されているのが興味深い。

 一方、シューズだけ洋服とは全く異なる色が使われていたり、スリッポンやプラットフォームシューズなどの遊び心あるデザインのものが登場したり。スクエアトゥのチャンキーウェッジやレースアップサンダルもアクティブな雰囲気を与える。

 人の関心が内に向いている現在のムードや、多くの時間を家で過ごすような今の生活様式を意識し、心地よさを前面に出しつつ、培ってきた高い技術力による上質さでラグジュアリー感を入れ込んだコレクションは、先日発表された「Wordrobe01」コレクションにも通ずる(実際のところ、「Wordrobe01」で発表された「The Triangle」バッグなどが再登場)。ただ、このような普遍性、連続性こそが「ボッテガ・ヴェネタ」というブランドが培ってきた長年の魅力だ。そんな中に、小物類やディテールにおいて小さなひねりを加えて自由なテイストを組み込むことで、ダニエル・リーはそれをモダンに更新している。


文:田中美貴

「ボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)」が2021プレスプリングコレクション「サロン 01 ロンドン」

「ボッテガ・ヴェネタ」公式サイト