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「ディオール」が2021ウィメンズフォールコレクションをオンラインで発表
「ディオール(DIOR)」は先週の2021メンズフォールコレクションに引き続き、ウィメンズの2021フォールコレクションをオンラインで発表した。
このコレクション制作においてアースティック ディレクター、マリア・グラツィア・キウリの起点となったのは、クリスチャン・ディオールが1950年代にデザインしたレオパードプリントのトレンチだったという。それは彼のミューズのひとりだったミッツァ・ブリカールが好んだレオパードのアイテムからの連想で生まれたものだったとか。
そんなレオパード柄は、「バー」ジャケット、シャツドレス、ジャンプスーツ、レインコートからハットやトートバッグなどの小物に至るまで様々なアイテムで展開される。色もいわゆるレオパード色から、ブルーやショッキングピンクまで。
それにCDモチーフ、千花模様、恐竜の小紋、エンブロイダリー、ミラーディスクなどの目を引くパターンや、メタル素材などのパンチのきいた素材が加わる。これらの要素が、ウエストマークしたベアショルダードレス、起毛素材のボリューミーなコートにチュールスカート、メタル素材のドレスに網タイツ、メタルボンバージャケットにはシースルーシャツ、ミラーディスクのミニスカートにマイクロニット、恐竜柄の構築的なドレスにニットレースのインナーのレイアウト・・・等々、様々なアイテムとなって自由にコーディネートされる。それぞれのルックが個性的で、関連性がないようにも見えるが、全体的にはポップでエネルギッシュなムードで統一されている。
冒頭で登場したミッツァ・ブリカールについて、クリスチャン・ディオールは伝記でも「彼女の型破りな個性、比類のない豪奢な趣味は、私の先祖にあたるノルマン人から受け継いだ内気な気質に素晴らしい影響を及ぼすだろうと感じました」と記している。今回のコレクションにおいてキウリを刺激したのは、そんな殻を打ち破るエネルギーなのかもしれない。そしてそこに、ポップでカラフルなデザインで70~80年代に大きな人気を博したデザイナー、エリオ・フィオルッチから、K-POPグループのブラックピンクに至るまで、様々なインスピレーションをミックスしたという。そんなポップでパワフルなコレクションは、ファッション界全体のムードが「おうち時間」に傾倒する中、それに対抗するような「お出かけ着」だ。それはこのパンデミックが終わった後の、外へ弾ける世界を先取りしているかのようだ。
Polaroids : Maripol, Photo : Brigitte Niedermair
Polaroids: Maripol, Video: Lino Meoli, Music: Leonard Lasry, Words: Maripol