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2021 23 Apr

「ロエベ」ファンデーション クラフト プライズのオンライン開催が決定 日本人2人がファイナリストに選出

 

 「ロエベ(LOEWE)」が、延期となっていた第4回「ロエベ」ファンデーション クラフトプライズの新たな日程と詳細を発表。現在フランスで施行されている各種規制を考慮し、2021年5月25日よりオンラインでの開催が決定した。

 

 ロエベ財団と装飾芸術美術館は、新型コロナウイルス感染症の世界的パンデミックを受け、第4回「ロエベ」ファンデーション クラフトプライズを、「ロエベ」クラフトプライズ公式サイトで開催すると発表した。2016年に設立した同プライズは、現代の文化におけるクラフトの重要性を認識すること、未来に向けて新たなスタンダードを生み出すイノベーションを起こすための才能やビジョンを認知することを目的としている。

 計30人のファイナリストは6大陸全て(18か国)から選出し、日本からは鵜飼康平氏と崎山隆之氏を選出した。ファイナリストの多くが、作品にファウンドマテリアルやアップサイクル素材を採用し、オーガニックなフォルムを通じて自然界に対する関心を偏在的なテーマとして取り入れた。

 同プライズの大賞受賞者は、2021年5月25日に「ロエベ」クラフトプライズ公式サイトおよび各種ソーシャルメディアで発表する。パリ装飾芸術美術館ディレクターのオリヴィエ・ガベットや2019年クラフト プライズの大賞受賞者である石塚源太氏といった、建築、ファッション、デザイン、およびアート業界に携わる12人が審査員を担当し、大賞受賞者には5万ユーロの賞金を授与する。

 

 今回の選出プロセスについて、「ロエベ」ファンデーション クラフトプライズの専門委員会の選考委員長であるアナツ・ザバルベア スコアは「今回はこれまでで最も国際的なものとなっており、ファイナリストの皆様の作品は若手から著名なアーティストまで、大陸や世代を超えた対話を生み出しながら、驚きと卓越性の両方を兼ね備えた形で伝統を大切にしながらも再活性化しています。これらの作品は、世界の現状を反映させたテーマをインスピレーションとしながら 文化的・美的に最高の志をもった作品です。この様に、クラフトプライズの多様性とオープン さは、今だけでなく将来に渡って大きな可能性を約束するものです」と語った。

 

■ファイナリスト作品(一部)

「Fusion 19-07」鵜飼康平氏
素材:漆、シナの木、ヘンプ
サイズ:210×40×30cm

全長2mにもおよぶ同作品は、未加工のクスノキの木片に何層もの漆を塗って制作した。その手法により、縁部が溶けたように豊かで照り返しのある表面コーティングを実現し、ドライな木片の性質との素晴らしいコントラストが生み出される。

 

「聴涛:Listening to the waves」崎山隆之氏
素材:せっ器
サイズ:54×54×54cm

崎山氏は常に海に近い場所で生活をしており、彼にとって海とは作品作りにおける無限のインスピレーション源だという。波打つような表面のパターンは、潮の干満や海流を美しく表現している。

 

「ロエベ」クラフトプライズ公式サイト

「ロエベ」公式サイト