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「グッチ」アースデイに際しサステナビリティに関する10項目を発表

「グッチ(GUCCI)」が2020年4月22日のアースデイに際し、これまで取り組んできた内容から、特に重要な10項目について発表した。
「グッチ」は長期的なサステナビリティ施策をビジネスの中核に据えて活動しており、今回発表された10項目には、カーボンニュートラル、動物保護、素材開発、アップサイクル、製造方法の革新などの項目が挙げられている。
同社は、4月22日(日本時間)に発表されたファッション透明性インデックス2020(Fashion Transparency Index 2020 )でラグジュアリーブランドとして最高スコアを獲得し、2年連続して1位に選出された。「Fashion Revolution」が発行しているこの年次報告書は、世界250の大手ファッション関連企業の透明性とサステナビリティの達成度を理解することを目的としたもの。
「Gucci Equilibrium」のウェブサイト(英文)では、「環境」、「人権の尊重」、「新たなビジネスモデルの開発」を軸に、さらに詳しく、多岐にわたる情報を公開している。

■「グッチ」が発表した10項目
1.2018年より自社およびサプライチェーン全体でカーボンニュートラルを実現しています。これにより、世界中で110.2万ヘクタールの 森林を保護しています。
2.社長兼CEOマルコ・ビッザーリは、2019年11月、CEOカーボンニュートラルチャレンジを提唱し、あらゆる業界のCEOたちに向けて、 温室効果ガスの削減に今後数十年かけるのではなく、ただちに取り組むべきと呼びかける書簡を公開しました。ビッザーリは、引き続き温室効果ガス排出量の削減を最優先課題として取り組む一方で、既存のテクノロジーやソリューションでは十分な成果が得られないという事実を訴え、企業は今すぐに責任を果たす必要があると述べています。これまでにLavazza Group、SAP、The RealRealが参加を表明しています。
3.動物が登場する広告キャンペーンを展開する場合、媒体費の0.5%をライオンズシェア基金に寄付しています。この基金では、すでに 象の密猟減少のために成果を上げており、パートナーシップを通じて絶滅危機種とその自然生息地の保護の支援を行っています。
4.デジタルEP&L(環境損益計算書)によって環境への影響を透明性の高い状態で公開しています。これは、製品を製造してからショップやお客さまに届けるまでの全プロセスにおいて、温室効果ガス排出量、水質汚染、大気汚染、水利用、廃棄物の発生、土地利用に ついて詳細に測定することを意味します。
5.環境への影響を、現在のEP&Lに対して2025年までに40%削減するという目標を掲げ、3年間で16%の削減を達成しています(2018年 実績)。同期間内に温室効果ガス排出量を50%削減するという目標も設定し、こちらもすでに16%の削減を達成しています。
6.グッチのショップ、オフィス、ウエアハウスの約80%がグリーンエネルギーで運営されており、今年中には再生可能エネルギーの 100%活用が実現する見込みです。
7.オーガニック素材やバイオ素材、また再生繊維といった環境への負担が少なくサステナブルな素材の開発と調達、および製造効率改善に取り組んでいます。
8.製造中に発生するレザーとテキスタイルの端切れをアップサイクルするGucci-Upプログラムなど、循環型アプローチを念頭に置いた新しい方法を探究しています。2018年には、このプログラムによってレザー11トンが再利用され、約4,500トンのCO2発生を抑制しました。
9.製造方法の革新に取り組んでいます。スクラップレス プログラムでは、レザーを使用する型に切り抜いてから加工することで、工程を 最小限にして水と化学物質の使用量、および廃棄物を大幅に削減しています。さらに、レザー加工のメタルフリー化やクロムフリー化を 進めており、2025年までに100%導入を目指しています。これらの代替プロセスにより、伝統的な製法に比べ環境フットプリントの 大幅な削減を実現しています。
10.変革を促進するためパートナーやステークホルダーと協業しています。2019年には親会社であるケリングのもとファッション協定に 調印し、気候、生物多様性、海洋という3つの分野において具体的な共通目標の実現に取り組むことを誓約しました。2020年1月現在で ファッション協定の参加企業の総数は63にのぼり、該当するブランドは250を超えました。これは業界の30%以上に相当します。
■「グッチ」Gucci Equilibriumサイト