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2021 17 Dec

「ディオール」が2022フォールコレクションを発表

 

 マリア・グラツィア・キウリによる「ディオール(DIOR)」の2022フォールコレクションが公開された。今季は、ジャスティーン・ピカーディによる書籍「Miss Dior」の中で語られる、ムッシュ ディオールにインスピレーションを与えた女性たちをイメージ。特に、第二次世界大戦中にレジスタンスとして活動していたディオールの妹、カトリーヌはコレクションの方向性に大きな影響を与え、反逆的な要素をも漂わせるパンキッシュ&ガーリーなスクールガールルックを創出させている。

 ライナーベストを表に重ねたトレンチ、大きなポケットを配したワークジャケット、ツール・ド・フランスを思わせるスポーツウェアなど、全体的にユニフォームのコードをなぞりながらも、カナージュのモチーフを配したり、50年代のアニマルやバラのプリントを再登場させたり、エディ・スリマン時代の「ディオール オム(DIOR HOMME)」をほうふつとさせる細いネクタイを合わせたりするなどして、「ディオール」ならではの記号を随所に散りばめている。

 無数のアイレットを打ったセットアップや、イエローのタータンチェックのブランケットケープなどはパンクの要素も漂わせ、ロングブーツ、サボ、スニーカー、そして低いヒールのパンプスを使い分けてコレクション全体を若々しく演出。アイコニックなジュートバッグは、L'union fait la force(団結は力を作る)のスローガンをさりげなく掲げたバージョンが登場している。

 それをまとうことで差異が無くなり、集団に溶け込むことを容易にするのがユニフォームだが、今季コレクションは制服に対する親近感に満ち溢れながらも、大胆な解釈による新しさを存分に打ち出すものとなっていた。

文:清水友顕

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「ディオール」公式サイト