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「アレキサンダー・マックイーン」が希少技術を使用した「ビートルドリネン」製作の裏側を公開
「アレキサンダー・マックイーン(Alexander McQueen)」が2020春夏コレクションに使用したビートルドリネン(Beetled Linen)の製作過程を初公開した。同ブランドが製作工程を公開するのは稀だ。
プレスされることにより生じる自然な光沢が特徴的のビートルドリネンは「Beetling」というアイルランド最古のリネン工場で施される希少技術を用い、時間をかけた工程で行う。
アイルランド最古のリネン工場のWilliam Clarkには、希少なビートルドガーメントのスペシャリストが存在しており、ビートルドリネンの技術が何世代にもわたって受け継がれるように、一人一人の技術者は熟練した師のもとで修行を積んでいる。
同コレクションで使用したビートルドリネンは、精巧な技術を用い、時間をかけた工程で行った。生地は、「アレキサンダー・マックイーン」のスタジオで服に仕立て、それを解体した後、工場に送る。工場では手作業でデンプンを塗り、その後木のブロックで叩く作業を経て、最後にスタジオでリメイクするという工程だ。
伝統的な技術を尊重するという、「アレキサンダー・マックイーン」の精神が感じられるビートルドリネンは、ブラックのトロンプルイユのレイヤードテーラードジャケットとペグトラウザー、ピンタックディテールを施したブラックとホワイトのパフスリーブドレスに用いた。
■ビートルドリネンの加工工程画像
ブラックリネンのピンタックドレスの分解・未製版のパターンピースは、ロンドンのアトリエでアイボリーのキャリコ生地に手縫いされた後、デンプンを塗る工程を施すため、 William Clarkの工場に送られる。
複雑なピンタックディティールが施された、縫製前のリネ ンドレスの生地は、デンプンを手作業で塗られ、デンプン液に沈められた後、ビートリング用の梁に丁寧に巻き付けられて結び付ける。木製の梁は、アイルランドの上質なブナの木から手彫りで作られている。
ピンタックとフリルのディティールをあしらったブラックリネンのドレスは、デンプンに浸される。自然な光沢を生む為の伝統的な製法の過程だ。
ライトムーンアイボリーのリネンドレスと、ブラックのトロンプルイユ のテーラードスーツに使用されている生地は、梁に巻きつけられ、木製のブロックで5日間叩きつけられるビートリング加工が施される。この工程により独特な質感と自然な光沢が生まれる。
ビートリング加工を終えた生地が、アイルランドからアレキサンダー・マックイーンのロンドンのアトリエに到着。アトリエでは、伝統的なビートリングの美しさを引き出すためにキャリコ生地を分解し、最終的に衣服として再び組み立て仕上げられる。
■日本販売アイテム
Dress 66万7,000円(+税)
Jacket 37万円(+税)
Trouser 10万2,000円(+税)