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「リョウタムラカミ」がブランド名を「ピリングス」に改めて初のショーを開催 手作りの温かみをニットで表現
デザイナー村上亮太が手掛ける「リョウタムラカミ(RYOTAMURAKAMI)」が、ブランド名を「ピリングス(pillings)」に変え、「ピリングス」としては初シーズンとなる2021春夏コレクションを発表した。ランウェイショーは2020年11月9日、東京都千代田区にある「3331Arts Chiyoda」内の体育館で行われた。
本コレクションの構想が始まったのはちょうど緊急事態宣言が発令された今年3月。デザイナーの村上は、おしゃれな服よりもマスクや消毒液が必要とされる世界的な混乱の中で、今一度ファッションの意味について考えたという。そこでたどり着いたものが民族衣装のような“意味を持つ服”と“手編みのパワー”だった。民族独自の文化や歴史を伝える民族衣装や、フィッシャーマンズニットのようにもともと家族の無事を祈って手編みで作られた気持ちのこもった服。そういった意味や気持ちが込められた服を作りたいと、コレクションで登場したアイテムはすべて手編みで仕立てられた。また、ニットを現代的にアレンジするため、素材は毛糸だけではなくデニムやチュールなど、古着を解体して糸を作り出して使用。スウェットやジーンズなどを手編みで民族衣装のように表現するなど、独創的な手法を見せた。
今回のコレクションに登場したアイテムはすべて手編みのため大量生産はできないが、展示会でセミオーダーにするなどオートクチュールに近いスタイルを模索しているという。
ブランド名を変更したことについてデザイナー村上は、「今までブランドを続けてこられたのもたくさんの人の支えがあったからで、今回のコレクションでコラボレーションしたatelier K'skさんや、その他にも職人さんと一緒に作る機会が増えたので、自分のブランドというよりかはチームやプロジェクトとしてブランドを見て欲しかった。ピリングというと毛玉というマイナスイメージもあるかもしれないけど、他者との関係性で生まれるものであり、長年愛用してもらいたいという気持ちを込めてこの名前にした」と語った。