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2021 15 Dec

「ルイ・ヴィトン」創業者生誕200年記念の巡回展覧会開始 NIGO®やBTSの作品も

(c)LOUIS VUITTON

 「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」は2021年12月9日、メゾンの創業者ルイ・ヴィトンの生誕200周年を記念して、200人の優れたクリエーターたちが再解釈を加えた想像力溢れる200点のトランクを集めた巡回展「200 TRUNKS, 200 VISIONARIES:THE EXHIBITION」(「200点のトランク、200名のビジョナリー(仮題)」展)を、仏パリ郊外アニエールのルイ・ヴィトン通り16番地にある、ヴィトン家の邸宅を皮切りにスタートした。

 

 本展は、ルイ生誕200周年記念プロジェクト「LOUIS 200」の一環として、ルイが後世に残した革新的な遺産に対する広大でダイナミックな賛辞として行われているものだ。作品はジャン=ミシェル・オトニエル、ジャン‐フィリップ・デローム、NIGO®、BTSなどアートやカルチャー、科学、スポーツ、世界的に多様な分野で活躍する200人の才能あるクリエーターやメゾンの友人たちによって制作されたもので、ルイの誕生日である8月4日から世界各地の店舗のウィンドウ・ディスプレイで展示されていたものを一堂に揃えた。

 ルイが1850年代に開発したトランクの原型に近い寸法である50 × 50 × 100cmのボックスを真っ白なキャンバスに見立て、各アーティストが解体、再利用、相互作用、投影、改造など、創意工夫を駆使し、またあらゆる媒体を使って制限なく創造。精巧な職人技を披露したり、AR(拡張現実)を活用したり、表面に文字を書いたり、ダンスをしたりと、クリエーターのユニークな視点が溢れる作品が多数生まれた。

  この巡回展は、ルイの人生を振り返り、身を持って体験するという意味で、ルイの家に入るという貴重な機会から始まっている。19世紀に建設されたこの素晴らしい歴史的建築物を鑑賞すると共に、ダミエ・パターンのカーペットが敷かれた展示会場では、現代的または未来的な様々な体験ができる。

 作品は実際に制作されたものとデジタルで制作されたものの両方が展示され、この中には、モノとクリエーターをフューチャリスティックに融合させた「ムッシュ・ルイ」と名付けられたロボットトランクや、アニメーションや没入型スペースなどで構成されたスペースも。インタビュービデオや読書を楽しめるライフスタイルエリアもある。音楽が聞こえてくる方向に進むと、バーのような空間へと繋がる隠れた入口があり、そこにはイギリス人DJ/プロデューサーのベンジー・Bが制作したジュークボックス型のトランクが設置され、そこから流れる200曲を聞きながらエキシビションの延長としてアップビートな雰囲気を楽しむこともできる。

 ここで2022年1月6日まで開催された後、同展覧会は米ニューヨーク、東京、英ロンドンをはじめとする世界各地を巡回する予定だ。そしてツアーの最後には、2022年12月に開催予定のサザビーズのオークションに参加。その収益はすべてルイ・ヴィトンが設立した奨学金プログラムに充てられる。

文:田中美貴

 

■「ルイ・ヴィトン」公式サイト