繊維ニュース 編集部ブログ

2020 02 Oct

豊田市の若手農家集団が10周年

 

【東京本社】愛知県豊田市は言わずと知れたトヨタ自動車の企業城下町だが、実は農業も盛んだ。トヨタ本社の近くに茶畑が広がっていたりする。

 この地域の若手農家有志が結成した「夢農人(ゆめのーと)とよた」が、このほど10周年の節目を迎えた。これまで即売イベントを開いたり、ホテルや飲食業と組んで地元産の食材の商品化を図ったりしてきた。

メディアにも積極的に登場し、活動の情報発信にも努めた。目標である農家の経済的自立と地位向上を目指し、さまざまな事業を展開した。

 後継者不足に悩む第1次産業の担い手が団体をつくり、地域おこしも兼ねて産業の活性化に力を注ぐ。割とよく聞く話だが、夢農人がひと味違うのは、イベントを打つなど「企画モノ」に終始するだけでなく、常にビジネスに発展させることを視野に入れている点だ。法人を立ち上げ、カフェの運営に挑戦した実績もあり、農産物で利益を上げる手段を模索し続ける。

 団体の発起人である鋤柄雄一さん(写真)は、同市内で養豚業を営む。昨年は愛知県内で発生した豚熱の被害に遭い、事業継続の危機に直面したが、現在は新しい独自のブランド豚肉で復活を図っている。経営者一人一人の切実な思いが、その産業を支える。(強)