繊維ニュース 編集部ブログ

2023 26 Oct

“房耳”で編まれた靴下

 【大阪本社】写真は織物の“房耳(ふさみみ)”で編まれた靴下だ。兵庫県西脇市を中心とする播州織産地にある、先染め織物製品のショップで見つけた。房耳とは、レピア織機などで織物を作る時に織機の端から副産物として出るもので、通常はそのまま捨てられる。だが、同産地の大城戸織布はこの房耳に独自の工夫をすることで、糸が抜けにくいようにし意匠糸として20年以上、販売し続けている。商売にもなるし、ゴミの削減にもつながる取り組みだ。手芸愛好家の間では固定的な房耳ファンがおり、ラッピングのひもや洋服やバッグの飾り素材として使ったり、マフラーなどを編んだりする人もいる。今回の靴下は新たな房耳の使い道といえそうだ。(学)