繊維ニュース 編集部ブログ

2020 06 Jul

【東京本社】イベント会場の設営を手掛けるユタカ(東京都品川区)と出会ったのは、2月に横浜市内で開かれた「サステナブル・ブランド国際会議2020横浜」の展示スペースだった。同社はそこで、イベントの展示物やブースの設営に、ポリエステルの布地を使った工法「ワン・ファブリカ」を紹介していた。従来工法では木材を使っていた資材を布地に変えることで、撤収後も廃材を出さずに再利用できるため、環境保全につながることをアピールした。

 繊維の新しい活用法として関心を抱いたため、後日、都内にある同社の専用工場を訪れ、縫製から資材作りを手掛ける生産体制を取材した。

 ところが、その後は新型コロナウイルスの感染が拡大し、イベントが軒並み中止になった。イベント関連の事業者が、苦境に立たされている状況がよく報じられた。

 ふと気になり、同社のホームページをのぞくと、ワン・ファブリカの技術を使って、感染防止のための仕切りを設ける新規事業を始めていた。再度取材し、苦境を乗り切ろうとする切実な思いを聞いた。新型コロナ禍の収束が見えない今、ピンチから生まれたアイデアが花を開かせることを願う。(強)