繊維ニュース 編集部ブログ

2018 10 Aug

ロンゲストヒューマンタオルチェーンこぼれ話

 【大阪本社】先月29日、泉州タオル産地の泉佐野市が市政70周年記念で実施した、人の手で世界一の長さにバスタオルをつなぐ「ロンゲストヒューマンタオルチェーン」の記録挑戦を取材した。

 午後2時の受け付け開始に合わせて、休日返上で昼過ぎに会場の体育館に着くと、イベント「郷土芸能の集い」との併催で、2千人以上の挑戦参加者とイベント来場者で、会場は既に大にぎわい。人混みの苦手な筆者は、早々と記録達成される光景を思い描き会場に入ったが、そこからが長かった。

 現在の記録1646人を大きく超える参加事前登録が既にあり、タオルをつないで立っているだけで、何のことはないと考えたのが甘かった。頭の中で前もって組み立てた明日の原稿の筋立てはすぐに崩れた。

 かなりの高齢者からまだ小学校に通う前の小さな子供まで参加者はさまざま。その誰もが、隣の人と自分の分の2枚のバスタオルから、5分間片時も両手を離さず静止しているのは、考えてみればなかなか難しい。

 しかも、ギネス認定のための監視員の厳しい目が光る。冷房が効いているとはいえ、真夏の体育館に立ちっ放しでは、気分を悪くして倒れる人も。挑戦開始から3時間が過ぎ、最後の3回目は祈るような気持ちで判定を待った。残念ながら、記事にも書いた通り、結果は記録更新ならず。

 会場を出られたのは午後6時を回った頃。挑戦に使用したバスタオル3千枚を製作したタオル組合からも約300人が参加しており、その一人のタオル機業のある社長に帰り際に出会うと、「半日潰したが、これで来年もまた挑戦用のタオル発注があるかも」とニヤリ。その商魂たくましくほほ笑ましい物言いにこちらもニヤリとしながら、夕闇の迫る会場を後にした。(典)