繊維ニュース 編集部ブログ

2020 21 Dec

大自然の色合い

 

 【大阪本社】サステイナブルな商品企画の一つに、オーガニックコットン使いというのがある。本紙「繊維ニュース」でもしばしば取り上げられているが、最近は無晒し(無漂白)・無蛍光をコンセプトにした提案も目立つようになってきた。

 無晒し・無蛍光の提案には①オーガニックコットンならではの風合いを生かしたい②水や薬剤の使用量を減らして環境に優しいモノ作りを目指す――などの理由がある。

 提案の仕方としては、白無地のタオルを選ぶのにも「オフホワイト」「アイボリー」の表記で2種類そろえるなど、購入側も受け入れやすいよう、環境対策する選択肢として打ち出されていた。

 繊維業界でこうした企画は生成り商品と呼ばれ、以前から存在していたものの、サステイナブルなコンセプトでよりストーリー性が強まった感がある。

 とはいえアイボリー1色ではストイック過ぎるというか、殺風景になりかねない。そこで重宝されているのが、画像のようなカラードコットン。取材で大正紡績に伺った際、会議室に飾ってあったので撮影させていただいた。

 着色したわけでなく、綿花そのものに色がある。白い綿花は染色しやすいように人類が膨大な年月をかけて品種改良した成果で、画像の方が原種に近いそうだ。

 このカラードコットン、環境意識の高まりとともにライフスタイルが見直され、再評価されている。ただし同系色を一定量そろえるのは難しく、手に入り難いのが実情だ。

 ミルクティー、キャメルなどのブラウン系だけでなく、オレンジ、グリーンとカラーバリエーションも多彩。月並みな表現になるが、自然の色彩感覚は偉大だ。(和)