繊維ニュース 編集部ブログ

2020 09 Dec

革靴を育てる楽しみ

 

【大阪本社】近年、一部でブームになっている靴磨き。ファッション関係のイベントに“靴磨き職人”が招かれて作業を実演するといったこともよく目にするようになった。革靴好きとしては、メンテナンスの重要性が世の中に認知されるようになり、うれしい限りだ。

 靴磨きの楽しみは、なんといっても革靴を“育てる”ことだろう。上質な革を使った靴は磨かれるうちに素晴らしい経年変化を見せてくれる。ライニングやインソールにもレザーを使い、グッドイヤーウェルト製法などで作られた本格革靴ならなおさらだろう。

 靴磨きを楽しむなら、まずは3万円台当たりの手頃な価格の本格革靴から始めるのがちょうどいい。これぐらいの価格なら気兼ねなく日用使いができる。

 写真は、昨年購入したユニオンインペリアルのセミブローグ。1年を経過し、仏アノネイ社のカーフレザーを使ったアッパーの表情がだんだんと馴染んできた。グッドイヤーウェルト製法なのでインソールの沈み込みができ、最近は足に吸い付くような履き心地に近づく。これこそが本格革靴と靴磨きの醍醐味。(宇)