繊維ニュース 編集部ブログ

2021 06 Sep

中国で“双減”の嵐

 【上海支局】中国で“双減”の嵐が吹き荒れている。学生の「学校の宿題」と「進学・補習塾」の二つを減らすという政策で、言わば中国版「ゆとり教育」だ。北京の大手塾、巨人教育が8月31日に破産申請するなど、早くも影響が出ている。中国は教育熱心なことで知られる。科挙の制度からも、教育熱は伝統と言えそうだ。双減を打ち出す政府の狙いは、少子化対策にある。都市部では教育などのコストが高く、「生みたくても生めない」状況が続く。ゆとり教育で教育レベルを下げ、不足するブルーカラー層を増やすのが狙いという、うがった見方もある。いずれにしても、上に政策あれば、下に対策ありの中国。この先どうなるかはまだ分からない。一方、確実に恩恵を受けるのが、水泳や合気道、ピアノなどの習い事教室。デサントグループの水着ブランド「アリーナ」が、ジュニア向け開拓に力を入れるなど、企業も注目している。(祐)