繊維ニュース 編集部ブログ
2019
18
Mar
大店法と大店立地法
【中部・北陸支社】間もなく元号が変わろうとしている時に、古い話で恐縮だが昭和時代から平成初頭までの大規模小売店舗法(大店法)が懐かしい。同法規は百貨店に代わり、ダイエーなど新たな業態店舗(セルフサービスデパートメントストア)GMSが成長する中、大型店の進出による中小小売店の経営圧迫等を防ぎ、中小小売業者を保護するために1973年から2000年まで施行された。その後、大店法が廃止され、大規模小売店舗立地法(大店立地法)が施行されるのだがこの出店抑制策が、物品販売の需要と供給をうまく回転させていた。
最近、衣料品の供給過多による廃棄問題がよくささやかれる。その要因は海外からの安価な輸入によるものだという人が多いが筆者はそうは思わない。大店立地法による無制限な売り場面積の拡大が供給を過多にしているのだ。ましてや今はそこにネット市場まで加わる。
価格は商品の需要と供給で決定される。もう一度、同法規の見直しを望みたい。このままではコスト高、製品安に苦しむメーカー側、人手不足に悩む小売り側、さらに今後予想される人気のない、古いリージョナル型のショッピングセンターの撤退など問題は山積みだ。
大店法廃止のトリガーは、トイザらスなど外資の圧力によるものだが人口が減り続ける中、国内の市場を政府に改めて見詰め直してほしい。(聡)