繊維ニュース 編集部ブログ

2019 21 Jan

恵方巻き

 【大阪本社】旧暦12月16日、七十二候では大寒の初侯、款冬華さく(蕗の花が咲きはじめるころ)。凍てつく地下で春の支度が着々と進む。

 陰陽道でその年の福徳を司る神を歳徳神(としとくじん)と言い、歳徳神のおられる方角を恵方(えほう)と言う。今年の恵方は東北東である。その方向に向かって事を行えば、万事に吉だそうだ。

 江戸末期から明治初期にかけて大阪の船場で商売繁盛や無病息災を願って食べたのが始まりらしい。また、一説には海苔巻きを丸かじりする花街に節分の風習があったとか、諸説ありはっきりとしたことは分かっていない。

 1970年代半ば、大阪海苔問屋協同組合がすしの団体と連携して節分と関連づけ恵方巻きの販売促進を始めた。その後、関西を中心に店頭でのイベント販売が定着していく。1990(平成2)年ごろからコンビニやスーパーなどで、節分に販売することが年中行事の一つとして全国的に広まった。

 恵方を向いて太巻きを食べて縁起をかついだ風習と商売を結び付いた大阪人の商魂はたくましい。 (博)