【大阪本社】先日、大阪府泉佐野市の複合商業施設「いこらモール泉佐野」内にある「南條亮（なんじょう あきら）ジオラマ記念館」を訪れた。

　昭和の日本のさまざまな市井の風景をジオラマで再現している。作品全体の雰囲気だけでなく、造形作家の南條氏によるジオラマ内のフィギュアの作りこみはすさまじく、一つ一つ表情が違い「今にも動き出しそう」という表現がしっくりくる。

　素材は不明だが、フィギュアの進駐軍の軍服や子供がまとう古着らしきシャツなど、衣服も細かく再現されている。これらの作品はガラスを隔てるようなこともなく、直接見ることができる。写真撮影も自由。

　一部の情景作品は、戦災の爪痕を細かに表現しながらも、活力にあふれる「元気だった頃の日本」を想起させる。同じ作品を見ても、技術に圧倒されるか、回想にふけるか、見る人によって抱く感想は違うかもしれない。（酒）