繊維ニュース 編集部ブログ

2018 31 Jul

不死身のレーニン

 【大阪本社】今月、モスクワのクレムリン内、赤の広場にあるレーニン廟(びょう)を訪れた。

 ここにはロシア革命の父ともいわれるウラジーミル・レーニンが眠っている。骨が埋まっているのではなく本人が正装を着て本当に寝ているように横たわっている…。いわばミイラの現代版。1924年に没してから、その死体が特殊な加工を施されて保存されているのである。

 無料で公開しており朝から長蛇の列。入ってみると3㍍ほどのところから見ることができた。ただ、廟内は他の観光スポットとは異なり厳しいルールがある。しゃべらない、着帽禁止、ポケットに手を入れてもだめ、立ち止まらないなど。係員が常に監視しており、不審な動きをすればすぐに厳しく注意される。内部は薄暗く、客が滞りなく、ゆっくりと進む感じは、葬式の焼香時とよく似ている。

 レーニンの思想は今なお死せず、その姿をもって世界に注目されている。個人的には、いかに偉大とされる政治家でも死体を永久保存して公開するというのは異様に感じられた。(学)