繊維ニュース 編集部ブログ
2020
23
Dec
鎌倉から世界目指すサッカークラブ
【東京本社】奇跡は二度起こらなかった―。試合終了のホイッスルが鳴り響くと、そんな思いが浮かんでしまった。
神奈川県社会人リーグ2部優勝決定戦準決勝。勝てば、1部への昇格が決まる試合だ。Jリーグからは、はるかに下のカテゴリーの話だが、この試合に出場する鎌倉インターナショナルFCにとっては大きな意味を持っていた。前の試合でサッカーには珍しく11点もの差をつけて勝利し、得失点差で上位のチームを逆転して、昇格決定戦に駒を進めていた。この逆転劇は、一部のローカルなサッカーファンの関心を集めた。同チームは2週間ほど前、クラウドファンディングで資金を調達し、人々の交流場所にもなるスタジアムを、自前で建設する計画を打ち出していた。
「古都鎌倉に、全く新しい国際型サッカークラブを作る」という壮大な理念を掲げる同チームにとって、県1部昇格への流れは、サクセスストーリーの序章になるはずだった。しかし、現実は甘くなく、意外なほどあっさりと〝初めての大一番〟に敗れ去った。
それでも、酔狂とも言えるプロジェクトが、厳しい現実をどう乗り越えるのか、興味は尽きない。〝化けるかもしれない〟話には、あらがいがたい魅力がある。(強)