繊維ニュース 編集部ブログ
2019
22
Aug
生命力
【大阪本社】ベトナムの歩道を歩いていたら、こんな光景に出くわした。石の歩道を大胆不敵にぶち破っている根が、活気に満ちるベトナムという国を象徴しているかのようだ。
今回のベトナム出張では、現地の人とさし飲みする機会があった。30歳男性の彼は、独学で日本語を学び、日本と関わりの深い縫製工場に出向く検品会社に勤めて、若くしてマネージャーに抜擢された。しかし、激務の中でストレスをため込み、体を壊してしまった。血圧が上がり、頭痛が頻発し、鬱(うつ)状態になった時に、「これ以上は無理」と退職を決意したそうだ。
タイもしかり、東南アジアの人々は温暖な気候にも恵まれ、いつも明るく元気なイメージがある。しかしベトナムでは昨今、若年層を中心に自殺者が急増しているという。急速に経済が発展し、所得格差が生まれていることなどがその原因として指摘されている。急増する日本での実習生の中でも、孤独を理由とした自殺者が後を絶たないとのこと。
この生命力あふれる木のように、たくましく生きていってほしい。“自殺大国”日本から、活力も衰えた中年サラリーマンがそう願う。(武)