繊維ニュース 編集部ブログ
2020
19
Jun
なぜ“アベノマスク”を笑う?
【大阪本社】ちょっと前になるが、政府が支給した布マスクが届いた。世間で言われているような問題もなく、奇麗な製品だというのが第一印象。それにしても政府支給の布マスクの評判が悪い。“アベノマスク”という言い方もどことなく悪意が感じられる。おりしも布マスクが届き始めた頃から市中では不織布製の使い捨て衛生マスクの品不足も解消され始め、価格も下落した。「いまごろ布マスクを配っても遅い」という批判すら出る。
ところが不織布製衛生マスクの値崩れが起こった背景には政府が布マスクの配布を始めたからだという説もある。さらなる価格上昇を狙って買い占め・売り惜しみを続けていたブローカーなどが慌てて市中に在庫を放出したのだそうだ。
そうだとするならば、政府による布マスク無料配布の政策的効果は絶大だったということになる。“アベノマスク”と言って笑ってはいられない。なにごとも冷静に分析せずに脊髄反射的に物事を批判していると恥をかくというのが、今回の新型コロナウイルス騒動のもう一つの教訓ではなかろうか。(宇)