繊維ニュース 編集部ブログ
2018
31
Aug
夏は過ぎゆく
【東京本社】東京ビッグサイトでこのほど開かれた「エンディング産業展(ENDEX)2018」は葬儀・埋葬・供養の展示会。かつて、こうした商談会は葬祭業者が小規模に行っていたそうだが、4回目の今年も2万8千人を動員。「終活」の定着を印象付ける。
喪服のレンタルに葬儀業者のユニフォーム、僧侶の袈裟(けさ)など、衣に関する出展は少なくない。葬られる方はといえば、最近はカラフルな「フューネラルドレス」が注目されている。自分で選んだお気に入りの服を着て来生に旅立つ。前向きだ。
数年前にインターネットで流れたニュースを思い出す。英国の兵士がアフガニスタンで戦死した。葬儀に現れた戦友は、ライムグリーンのミニドレス姿。実は戦地で2人はこんな会話を交わしていた。「俺が死んだらダサいドレスで葬式に来てくれよ」「OK!」。守りたくなかった約束を守った男性。ドレスのまま墓の前で男泣きに泣く姿に、はじめは度肝を抜かれた参列者も新たな涙を誘われたという。
生前に終活プランをしっかり立てるのもいい。でも本気で別れを惜しんでくれる人がどれくらいいるやら、こればかりは日頃の行い次第か。夏の終わりにそんなことを考えた。(周)