繊維ニュース 編集部ブログ
2019
30
Oct
売れ筋重視でいいのか
【東京本社】ファッションイベント「楽天ファッション・ウィーク東京」が終了し、現在は展示会ウイークに突入している。有力デザイナーの展示会が相次ぎ、分刻みのスケジュールでバイヤーが商談を行っている。彼らはとにかく忙しい。本社主導によるセントラル方式で買い付けを行うセレクトショップが増えたものの、今後の主力になりそうな新進デザイナーを発掘しようと目を光らせている。さまざまな人物が発信する会員制交流(サイトSNS)が全盛の現代にあって、バイヤーの役割が小さく、弱くなりつつある。ファッションにおける「目利き」という言葉も死語になってきた。それでも、ある名物バイヤーは「インフルエンサーに負けないようにアンテナを張っている」と言う。新進デザイナーを発掘し、商品を買い付けて支援しようとする気概を持ったバイヤーが減るなかで、時代に抗う人物がいてもいい。効率性や売れ筋重視で回転するファッション業界は面白くない。(市)